5人で綴る物語
PROFILE第一章はじめに
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第一章|2005/10/29(Sat)  (トラ0 / コメ0)
頭の中で渇いた声がする。

夜の電車が小刻みに鳴らすリズムの中で、全てがフラッシュバックした。
(あぁ、この人は幸一に似てるんだ…。)

幸一とは、去年の冬に出会って、3ヶ月だけ一緒に暮らした。
その3ヶ月の間、私達はお互いを自分か他人かわからなくなるほどまで愛し、独占し、
その結果ひどく憎み、傷つけあった。
彼の声は嬉しい時も悲しいときも、怒っている時でも常に渇いていて、
その渇いた声が、私はたまらなく好きだったのだ。

   ・
   ・
   ・
彼女はまだ何かぶつぶつ言いながら、その細くて白い足を震わせている。
まわりの人も、不信感をあらわにしてなのだろう、
終電間際のそれなりに混んだ車内で、彼女の隣の席だけがまだぽっかりと空いていた。

彼女の長い髪の隙間から時折のぞくその大きな目は、
不気味なのに、思わず見とれてしまうほど、うつろで渇いていた。
その渇き具合が彼女の魅力でもあり、どこか幸一に似ていて、目が離せない。
そして、その視線はゆっくりとこちらに向けられた。

目が合った瞬間、イケナイ物を見たように、時が止まるほど惹きつけられた。


気付くと、私はまだ電車の車内で、
苦しそうに嘔吐し続ける彼女の姿をぼんやりと眺めていた。

                                              byフィビー
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