5人で綴る物語
PROFILE第一章はじめに
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第一章|2005/11/19(Sat)  (トラ0 / コメ0)
なんだっけ、この曲・・・・


どこかで聞いたことがあるけど思い出せない。
飲みかけのモスコミュールを一気に飲み干した。
店内は淡く落ち着いた赤色の照明に彩られ、ダンスミュージックが大音量で流れている。

低音の打ち込みが心臓の鼓動とシンクロして心地がいい。

首筋のタトゥーは、最近安全ピンと墨汁を使って自分で入れたものだ。薬物に頼らずに、トランス状態になって踊り狂っているインドネシアの民族儀式の写真を雑誌で見て、その民族の守り神をモチーフにした。
ずいぶん簡易化されたブサイクな神様になってしまったけど・・・

一日中、夢中になってチクチクやって、気づいたら日付けが変わっていた。その日は私の18歳の誕生日だった。


「リナ、毎度~」

振り返ると白いドレスシャツにローライズのジーンズ姿のボブが立っていた。
日本に来て初めて見た大阪のバンドに影響されたらしく、今では大阪人顔負けの関西弁を使いこなしている。一体どこで覚えてきたのだろうか。。。
カリカリにあてたアフロ頭は
会うたびに大きくなっている。

「ボブ、今日もゴキゲンそうね」

ボブもここの常連だ。大学に留学するために
ボリビアからはるばる日本に来たらしい。この店の近くに大きな一軒家を借りて住んでいる。
父親が有名な投資家でかなりのお金持ちらしく、毎月いくら使おうと特に何も言われないそうだ。

「リナ、いいものがアルヨ」

そう言ってボブはダンスフロアの真ん中で、ポーチに手を入れた。

「ボブ、ここじゃヤバいよ。とりあえずいつものとこ行こうよ」

私はボブの手を引いて外に出た。
外の空気はひどく冷たい。コートは店に置きっぱなしだ。特に盗られそうなものでもないし、すぐ戻るから大丈夫だろう。
いつものように、一緒に近くの神社の裏に行った。
店でパイプなんか出したら、一発で店を出禁になってしまう。
ケミカル類は単価が高いし、身体に悪そうなので、私はもっぱらナチュラル派である。

パイプを口にくわえ煙を思い切り吸い込んで息をとめた。
しばらくすると、足元がフアフアになって、気分が高揚してきた。

ボブも満面に笑みを浮かべ、ポーチから取り出したIPOD相手に猛烈に愛撫し始めた。
友達にバイセクシャルはいるけど、男性とIPODを相手にできるのは世界中探しても、ボブぐらいだろう。
ゲラゲラ笑って見てたら、ボブの胸ポケットから、小さい袋が落ちた。

拾って中を見てみると、ひまわりの種みたいのがいくつか入っている。
ボブは恋人に夢中で全然気づいていない。

そーいえば小学生の頃に学校に植えてあったひまわりの種を食べたことがあったっけ。どんな味かは忘れちゃったけど。。。
懐かしくなって、ふと口に含んで噛み潰してみた。
甘い香りが口の中いっぱいに広がった。


急に目の前が真っ暗になった。五感がまったく機能していない。意識だけが私から抜け出したみたいだ。
しばらくそんな状態が続き、激しい吐き気で我に返った。
一体ここはどこだろうか。見慣れない繁華街の風景がひどく歪んで広がっていた。




byムネオ
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